睡眠薬・精神安定剤の副作用

うつや自律神経失調症で不眠の症状を訴える方は数多くいらっしゃいます。
精神科や心療内科へ行くと睡眠導入剤を処方されます。
中でもベンゾジアゼピン系の睡眠薬は即効性があるために内科や整形外科や皮膚科や婦人科など多くの科で当たり前のように処方されています。

どの科に通っていても「夜あまり眠れない」とか「夜中に何度も目が覚める」などと不眠の症状を訴える患者さんはいるものです。
当院でも主訴が腰痛や肩こりで来院しても不眠の症状を抱えている人は結構いらっしゃいます。
そこでいろいろな病院のいろいろな科でごく一般的に睡眠薬が処方されています。

日本のベンゾジアゼピン系睡眠導入剤の消費量は世界一

ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤は一般的に「睡眠薬」「抗不安剤」「精神安定剤」などと呼ばれています。不眠や不安感が解消されます。即効性もあるので多くの方が服用しています。

ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤

ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤の有名なものを挙げてみます。

  • ハルシオン
  • デパス
  • ソラナックス

当院のクライアント様からもこれらの薬を飲んでいるという話をよく聞きます。
日本はベンゾジアゼピンの消費量が世界一だそうです。
病院に行って不眠の症状を訴えるとほぼ必ず処方されると言われています。

ところが世界的にはベンゾジアゼピンを服用することによる副作用や中毒性が問題視され、多くの国では使用期間の制限が設けられ販売量も大きく低下したのです。

1955年に発見されたベンゾジアゼピンという化合物は、60年代に入って、欧米で広く使用されるようになりました。(中略)発売当初は無害であると信じられていました。

ところが70年代後半になって、服用中止後に体調不良になる人が続出し、社会問題となったのです。

たとえば女性雑誌『ヴォーグ 』 は「ヘロインよりはるかに悪質な中毒を引き起こす」と論じました。

また『ニューヨーク・タイムズ』は、1976年の記事で、「ジアゼパムは安全を謳っているが、恐ろしく危険な中毒性があり、常用者に死をもたらす直接的な原因になりかねない」と報道しました。

こういった報道を受けて、アメリカ政府が動き出さざるを得なくなったのです。1979年には、エドワード・ケネディ上院議員が上院保健小委員会公聴会で、「ベンゾジアゼピンは治療と回復が至って難しい依存症と中毒性という悪夢をもたらした」と発言しています。

そうして米国国立薬物乱用研究所は、学術論文を検討した結果、「ベンゾジアゼピンの睡眠促進効果は2週間以上続かない」ことを確認。さらに英国医薬品評価委員会も「ベンゾジアゼピンの抗不安作用は4カ月以上持続しない」と発表しました。

「薬の9割はやめられる」SBクリエイティブより引用

いかがでしょうか。
これらの調査結果を受けて多くの国ではベンゾジアゼピンはだんだん使用されなくなっていったのですが、日本では処方期間の制限も特に設けられず長年服用し続ける人も多くいるのです。

そして睡眠薬を長期間服用している人々のほとんどがこのような情報を知らないのではないでしょうか?
このような情報がテレビ番組などで大々的に報道されることはまずありません。理由はちょっと考えればわかりますね。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の依存性

ベンゾジアゼピン系の薬物は不安や緊張を和らげ、眠気をもたらす作用があります。
しかし、毎日のように服用し続けるとだんだん薬がなくては精神の安定が得られない状態になってしまうのです。

つまり依存症です。

ベンゾジアゼピンをもっと増やさないと効かない体になってしまうのです。
睡眠薬なしではどんどん眠れなくなってしまい、さらに薬もやめられないということになってしまうのです。

よく耳にする「デパス」はベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でももっとも依存性が高いと言われています。
飲み続けるほどに依存度が高まりデパス中毒になってしまうのです。

なぜこのようなことになってしまうか解説します。
人間の脳には精神安定をもたらすGABAという神経伝達物質があります。
ベンゾジアゼピン系の薬物を服用するとGABAの作用を高める、不安や緊張を和らげるのです。

しかし、薬物を数週間毎日服用することでだんだんGABA受容体が疲弊して数が減ってしまうのです。
するとベンゾジアゼピン無しでは精神の安定が得られないという体になってしまうのです。
まさに麻薬などの薬物依存と同じような状態になってしまうのです。

さらに恐ろしい副作用

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用は他にもあります。

認知障害

記憶力の低下、理解力の低下をもたらします。
ベンゾジアゼピン睡眠薬の長期服用者は理解力が著しく低下し、集中力や問題解決能力なども低下してしまう傾向があります。

感情障害

不安を和らげるための薬なのですが、服用を続けると不安や抑うつ状態を増大させてしまうと言われています。

神経や筋肉の障害

物音や刺激に過敏になったり、ちょっとした物音に強い不快感を感じるようになります。
視力低下、目がかすむ、知覚の異常をもたらすと言われています。
また筋肉を弛緩させる作用があるので肩こりにデパスを処方されることも珍しくありません。

試しに「肩こり デパス」で検索してみると精神科のクリニックのデパスの解説ページが出てきます。
肩こりに対して処方することもあると明記されています。
またデパスの依存症になってしまった人のブログなどもヒットします。

服用する場合には、このように様々な副作用があることを理解した上で服用することが大切です。
知らないで服用を始めて中毒や依存症になってから後悔しても遅いのです。

そもそも薬には副作用やリスクがありますので、どうしても薬に頼らざるを得ない場合を除いて安易に服用し続けることは考えものだと思うのです。

参考文献:「薬の9割はやめられる」SBクリエイティブより

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